はじめての方向け / 障害福祉サービス・障害児通所支援事業の開業ガイド

障害福祉の事業を
「始めたい」を、
いちばん最初から。

放課後等デイサービス、児童発達支援、就労継続支援A型・B型——。
「そもそも何が必要?」「どんな順番で進めるの?」という段階から、
開業までの要件・手順・お金の話を、図解とよくある質問でまとめています。

GUIDE / お役立ち情報

放課後等デイサービス開業ガイド(詳細版)

新規開設に必要な準備と指定申請までの流れを、ゼロからさらに詳しく整理した完全ロードマップです。

FOR これから始めたい方
CONTENT 要件・手順・資金・Q&A
AREA 名古屋市・愛知県全域

そもそも「障害福祉サービス」
「障害児通所支援」とは?

まずは、これから始めようとしている事業が、どの制度のどこに位置づくのかを整理しましょう。

障害のある方を支える事業は、大きく 2つの法律 に分かれています。
子ども向けの通所支援は「児童福祉法」、大人向けの福祉サービスは「障害者総合支援法」が根拠です。
どちらも、事業を行うには 都道府県・市町村から「指定」を受ける必要があります。

根拠法 / 児童福祉法
障害児通所支援

障害のある子どもが、通いながら発達の支援を受けるサービスです。

主なサービス

児童発達支援 放課後等デイサービス 保育所等訪問支援 居宅訪問型児童発達支援
根拠法 / 障害者総合支援法
障害福祉サービス

大人が「働く」「暮らす」「訓練を受ける」ことを支えるサービスです。

就労系(働くことの支援)

就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型 就労定着支援

その他(介護・訓練・住まい 等)

生活介護 自立訓練 共同生活援助(GH)

このページで特に詳しく解説:放課後等デイサービス 就労継続支援A型・B型

※ このページは制度の全体像をつかむための一般的な概要です。人員数・面積・対象年齢などの細かな基準は、自治体(指定権者)や制度改正によって変わることがあります。実際の物件契約・採用・申請の前に、必ず管轄の自治体または専門家にご確認ください。

開業に必要な「4つの条件」

どのサービスでも共通して、この4つを満たすことで自治体の「指定」を受けられます。

都道府県・市町村の「指定」を受ける 下の4つの条件がそろって、はじめて事業をスタートできます

法人格

個人では開業できません。株式会社・合同会社・NPO法人・社会福祉法人などの法人が必要。定款の事業目的に該当事業の記載も必須です。

人員基準

管理者・サービス管理責任者(児発管)・支援員など、職種ごとに必要な人数と資格が決められています。

設備基準

必要な部屋・広さ、消防・建築のルールを満たす物件が必要。契約前の自治体相談が重要です。

運営基準

運営規程、個別支援計画、記録の整備など、開業後に守るべき運営上のルールを整えます。

なかでも最初の壁になりやすいのが 「人(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)」の確保「物件」の選定 です。
いずれも要件を満たすまでに時間がかかるため、早めの着手が成功の分かれ目になります。

補足:法人にはどんな種類がある? 「株式会社・合同会社」のような営利法人だけでなく、「NPO法人」や「社会福祉法人」でも開業できます。
それぞれ設立のしやすさ・費用・社会的な性格・税制などが異なります。

法人の種類 設立のしやすさ・特徴 こんな方に向いています
株式会社/合同会社
営利法人
営利(配当可)
比較的かんたん・短期間で設立できます。合同会社は株式会社より設立費用を抑えやすいのが特徴。意思決定も自由度が高めです。
スピード重視で新規参入したい方。まず小さく始めたい方に選ばれることが多い形態です。
一般社団法人
非営利法人
非営利
剰余金を構成員に分配しない「非営利」の形。設立は比較的しやすく、営利法人と社会福祉法人の中間的な選択肢です。
「非営利」の形をとりたいが、社会福祉法人ほどの負担は避けたいという方。
NPO法人
特定非営利活動法人
非営利
設立に所轄庁の認証が必要で、数か月かかります。利益の分配はできませんが、社会的信用や地域の理解を得やすい面があります。
地域に根ざした非営利の運営を大切にしたい方。設立に一定の手間と時間をかけられる方。
社会福祉法人
公益性の高い法人
非営利・公益
資産要件やガバナンス(理事会・評議員会等)など設立の認可ハードルが高い反面、高い社会的信用と税制上の優遇があります。
大規模・本格的に福祉事業を担う方向け。新規の小規模開業では選ばれにくい傾向があります。
※ どの法人でも、定款(社会福祉法人は定款)の「事業目的」に該当事業の記載が必要です。既存の法人でも記載がなければ変更が必要になります。設立要件・費用・税制の扱いは制度改正や自治体の運用で変わることがあるため、法人の種類選びは事業規模や資金計画とあわせて、専門家に相談しながら決めることをおすすめします。

開業までの流れ

思い立ってから開業まで、一般的には半年〜1年ほど。全体の道のりを見ておきましょう。

1
スタート

情報収集・事業種別の決定

どのサービスを、どの地域で、どんな規模で行うかを固めます。地域のニーズや競合状況もこの段階で確認します。

2
〜1〜2か月

法人の準備

法人がなければ設立します。すでに法人がある場合も、定款の事業目的に該当事業が入っているかを確認し、必要なら変更登記を行います。

3
並行して進める

事業計画・資金計画

収支の見通しと、開業資金・当面の運転資金を計画します。金融機関からの融資を検討する場合はここが要になります。

4
早めが吉

物件の選定・自治体への事前相談

設備基準・用途地域・消防・建築のルールを満たすかを、契約前に自治体へ相談します。多くの自治体で事前協議が必要です。

5
最重要・時間がかかる

人員の確保

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者は資格要件を満たす人材が少なく、採用に時間がかかります。最優先で動きましょう。

6
締切に注意

指定申請

書類一式を整えて申請します。多くの自治体で「開業希望月の前月●日まで」といった締切があり、指定は原則毎月1日付です。

7
ゴール

指定・開業

指定通知書を受け取ったら、いよいよサービス開始。開業後は加算の届出や運営指導への備えなど、運営フェーズに入ります。

全体でおおよそ 半年〜1年。人材確保と物件探しに最も時間がかかります。

見落としがちな「お金」の話

開業でつまずきやすいのが資金繰り。特に「報酬が入ってくるまでのタイムラグ」に注意が必要です。

例:4月

サービス提供

4月中に利用者へサービスを提供します。この時点では、まだ報酬は入ってきません。

例:5月上旬

国保連へ請求

翌月に、国民健康保険団体連合会(国保連)へ報酬を請求します。

例:6月下旬

報酬の入金

さらに翌月末ごろに入金。つまり約2か月遅れで売上が入ります。

売上(報酬)が入るのは、サービス提供から 約2か月後
その間も家賃・人件費は毎月発生するため、数か月分の運転資金を手元に用意しておくことが、安定した滑り出しの鍵になります。

※ 初期費用の目安は、物件の規模・改装の有無・地域によって大きく変わります。物件取得費・内装・備品・人件費(開業前研修含む)・運転資金などを、事業計画のなかで具体的に見積もっておきましょう。

サービス種別ごとの解説

問い合わせの多い3つのサービスについて、特徴・基準・よくあるトピックをまとめました。

障害児通所支援

放課後等デイサービス

根拠法:児童福祉法

就学している障害のある子どもが、放課後や長期休暇に通い、遊びや学び・生活能力の向上のための支援を受ける場です。いわば「障害のある子どものための学童+療育」のようなイメージ。利用には、自治体が発行する「通所受給者証」が必要です。

対象
原則 6〜18歳(小学生〜高校生)の就学児で、支援を必要とする子ども
定員
原則 10名以上
必須の人員
管理者/児童発達支援管理責任者(児発管・専任常勤1名以上)/児童指導員または保育士
支援員の配置目安
定員10名で2名以上(うち1名以上は常勤)。営業時間を通じて配置が必要。
児発管(児童発達支援管理責任者)が見つかりません。開業できますか?
児発管は専任・常勤で1名以上の配置が必須で、これがないと指定を受けられません。児発管になるには実務経験に加えて基礎研修・実践研修の修了が必要で、資格を満たす人材は限られています。多くの事業者が最初につまずくポイントなので、物件探しと同時か、それより前に採用活動を始めることをおすすめします。
管理者や児発管は、他の職種と兼務できますか?
管理者は、業務に支障がない範囲で児発管や児童指導員との兼務が可能です。一方で、児発管が児童指導員として直接支援を行うこと自体は差し支えありませんが、その場合支援員の必要人数(員数)には数えられない点に注意が必要です。
どんな物件でも開業できますか?
いいえ。指導訓練室などに必要な広さがあること、消防・建築基準法・用途地域のルールを満たすことが条件です。キッチンや玄関は必要面積に含まれないなど細かな決まりもあります。気に入った物件は、契約する前に必ず自治体へ相談してください。契約後に基準を満たさないと分かると、大きな損失になります。
児童発達支援と一緒に運営(多機能型)できますか?
はい。未就学児向けの「児童発達支援」と就学児向けの「放課後等デイサービス」を、1つの事業所で午前・午後に分けて行う「多機能型」という形態があります。人員や設備を共有できるメリットがありますが、動線や定員の考え方など確認事項があるため、事前に自治体と相談しましょう。

就労継続支援 A型・B型のちがい

どちらも「働くことを支える」サービス。最大の違いは「雇用契約を結ぶかどうか」です。

項目 就労継続支援 A型 就労継続支援 B型
雇用契約 結ぶ(労働者として働く) 結ばない
支払われるお金 賃金(最低賃金以上を保障 工賃(成果に応じた報酬。最低賃金の保障なし)
主な対象 原則18〜65歳未満で、支援があれば継続的に働ける 年齢制限なし。体調等で雇用契約による就労が難しい方
定員 原則 10名以上 原則 20名以上
必須の人員 管理者/サービス管理責任者(サビ管)/職業指導員・生活支援員(合わせて利用者10名に1名以上、各1名以上・うち1名以上常勤)
障害福祉サービス

就労継続支援A型

根拠法:障害者総合支援法

障害のある方と雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を支払いながら働く場を提供するサービスです。「支援は必要だけれど、契約を結んで安定的に働きたい」という方が対象。事業者は、利用者に取り組んでもらう仕事(生産活動)を用意する必要があります。

利用者にどんな仕事をしてもらえばいい?
自社の事業を行ってもらう方法と、他社から作業を受託する方法があります。軽作業(部品組立・検品・袋詰め)、清掃、飲食、PC作業などさまざまです。A型は雇用契約=最低賃金以上の支払いが前提のため、賃金をまかなえるだけの安定した売上を生む仕事の確保が事業の生命線になります。
令和6年度の報酬改定で、何が変わったの?
A型の基本報酬は「スコア方式」で評価され、令和6年度改定では労働時間・生産活動・経営改善計画など複数の観点(合計200点満点)で採点される仕組みが強化されました。生産活動の収支が弱いと評価が下がりやすく、より「きちんと働き、収益を生む」事業運営が求められる方向になっています。開業前の事業計画づくりがこれまで以上に大切です。
A型とB型、どちらで始めるべき?
一概には言えません。A型は最低賃金の支払い義務があり人件費の負担が重い反面、しっかり働ける利用者と安定した仕事があれば収益化しやすい形態です。B型は雇用契約がなく始めやすい一方、定員が20名以上と大きめです。想定する利用者像・用意できる仕事・資金力から総合的に判断しましょう。迷う場合はご相談ください。
障害福祉サービス

就労継続支援B型

根拠法:障害者総合支援法

雇用契約を結ばずに、自分のペースで生産活動に取り組み、成果に応じた「工賃」を受け取るサービスです。年齢や体調の面で雇用契約による就労が難しい方の、居場所と社会参加の場になります。A型より始めやすい一方、定員が大きく、工賃を生む活動の工夫が求められます。

対象
年齢制限なし。就労経験がある方や、50歳以上・障害基礎年金1級の方、アセスメントで妥当と判断された方など
定員
原則 20名以上
「工賃」はどのくらい支払うの?
工賃は生産活動で得た利益の中から支払われる成果報酬で、雇用契約ではないため最低賃金の保障はありません。全国の平均工賃は月額で数千円〜2万円弱程度とされ、事業所ごとに差があります。国は工賃の向上を促しており、平均工賃額に応じて報酬が変わる仕組みもあるため、利用者が達成感を持って取り組める活動づくりが重要です。
特別支援学校を卒業した子が、そのままB型を利用できますか?
原則として、特別支援学校卒業後にそのままB型を利用することはできません。就労経験があること等の要件があり、就労移行支援などのアセスメントを経て利用が妥当と判断される必要があります。対象要件は自治体によって運用が異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
A型とB型を同じ場所で両方やれますか?
就労移行支援・A型・B型などを組み合わせた「多機能型」という運営形態があります。人員や設備を共有できる利点がありますが、それぞれのサービスの定員・人員配置の考え方が組み合わさるため、設計は少し複雑になります。多機能型を検討する場合は、早い段階で専門家に相談すると安心です。

開業全般のよくある質問

サービス種別を問わず、これから始める方から多く寄せられる疑問をまとめました。

福祉や介護の経験がなくても始められますか?
経営者ご自身に福祉資格は必須ではありません。ただし、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者や、資格を持つ支援員の配置は必須です。つまり「有資格の人材をチームに迎えられるか」が鍵になります。制度理解や書類づくりに不安があれば、専門家のサポートを受けながら進める方が多いです。
まず何から始めればいいですか?
おすすめの順番は、①どのサービスを行うか決める → ②法人の準備 → ③事業・資金計画 → ④物件と人材を並行して探す、です。特に「人(サビ管・児発管)」と「物件」は時間がかかるため、方向性が固まったら早めに動き出すのがコツです。物件は契約前の自治体相談を忘れずに。
法人はどの種類がよいですか?
株式会社・合同会社(営利法人)のほか、一般社団法人・NPO法人・社会福祉法人(非営利法人)などが選べます。大きな違いは、設立のしやすさ・費用と、営利/非営利という性格、そして社会的信用や税制です。スピード重視なら株式会社・合同会社、公益性や信用を重視するならNPO法人・社会福祉法人が候補になりますが、社会福祉法人は設立のハードルが高い点に注意が必要です。いずれの場合も定款の「事業目的」に該当事業の記載が必須です。種類ごとの詳しい比較は、上の「開業の要件」にある表をご覧ください。
指定申請には、どのくらいの期間がかかりますか?
自治体との事前協議・書類準備を含めると、申請そのものだけでも数か月を見込みます。多くの自治体で「開業希望月の前月●日締切」などのルールがあり、指定は原則毎月1日付で行われます。書類の不備や工事の遅れがあるとさらにずれ込むため、スケジュールには余裕を持たせましょう。
自分で申請する場合と、専門家に頼む場合の違いは?
ご自身で申請することも可能です。ただし提出書類が非常に多く、自治体ごとに様式や運用が異なり、人員・設備の要件解釈にも判断が必要です。専門家に依頼すると、本業の準備(採用・物件・仕事づくり)に集中でき、要件の取りこぼしや手戻りを防ぎやすくなるのが利点です。費用と手間のバランスで選ばれると良いでしょう。
開業したあとも、手続きは続きますか?
はい。人員の入退職や体制変更のたびの変更届、要件を満たしたときの加算の届出、数年ごとの報酬改定への対応、そして運営指導(実地指導)への備えなど、運営フェーズでも継続的に事務が発生します。届出のタイミングを逃すと本来得られる報酬を取りこぼすこともあるため、開業後の運営体制づくりも大切です。

申請手続きに不安があるときは

ここでご紹介したのは、あくまで一般的な概要です。実際の要件は、選ぶサービス・物件・地域・タイミングによって変わり、指定申請の書類も多岐にわたります。
風のテラス行政書士事務所は、名古屋市・愛知県を中心に、指定申請などの手続きサポートや開業後の運営支援を行っています。書類の準備や申請手続きにご不安がある場合には、当事務所までお気軽にご相談ください(初回のご相談は無料です)。

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行政書士紹介

このページを監修している、代表行政書士のプロフィールです。

代表行政書士

ご挨拶

「障害福祉の事業を始めたいけれど、制度が難しくて何から手をつければいいか分からない」——そんな声によくお応えしています。

複雑な手続きをかみ砕いてご説明し、事業者様が本来の支援に専念できるようサポートいたします。「困ったときに、いつでも寄り添える身近な存在でありたい」——そんな事務所を目指しています。

経歴

  • 2003年 中央大学 法学部 卒業
  • 2004年 関東信越国税局に勤務
  • 2012年 民間企業(主に法務部)で勤務
  • 2023年 風のテラス行政書士事務所 開業

保有資格

  • 行政書士(愛知県行政書士会 所属)
  • 愛玩動物飼養管理士

事務所概要

事務所名 風のテラス行政書士事務所
代表行政書士 鈴木 達也
所属 日本行政書士会連合会 第23191988号
所在地 〒456-0022 愛知県名古屋市熱田区横田二丁目1-32-402
電話番号 052-750-5612
メールアドレス k-office@kazenoterrace.com
営業時間 平日 10:00 〜 18:00(土日祝日のご相談は要予約)
対応エリア 名古屋市・愛知県全域
主な取扱業務 障害福祉サービス事業全般(開業サポート・指定申請・運営支援)

対応エリア詳細

名古屋市全域および愛知県内全域(豊橋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、豊川市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、新城市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、田原市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市、長久手市 ほか)

申請手続きに不安があれば

指定申請などの手続きにご不安がある場合は、名古屋市・愛知県対応の当事務所までお気軽にご相談ください。お電話・メールで承ります。

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